きゃりーぱみゅぱみゅのジャケットデザインやラフォーレ原宿のメイン広告などを手掛けた、Steve Nakamuraさんにインタビュー!<後編>

インタビュー
きゃりーぱみゅぱみゅのジャケットデザインやラフォーレ原宿のメイン広告などを手掛けた、Steve Nakamuraさんにインタビュー!<後編>

きゃりーぱみゅぱみゅのジャケットデザインやラフォーレ原宿のメイン広告など、人の目を惹くユーモアな作品を生み出すアートディレクター、Steve Nakamuraさん。
前編での幼少期のお話しに続いて、後編では現在のお仕事に繋がること、子育てのことを伺いました!

 

◆プロフィール

1973年、ロサンゼルス生まれ。ロンドンのCENTRAL SAINT MARTINS卒業。2001年から東京で活動。きゃりーぱみゅぱみゅのCDジャケット(2011〜2016年)やラフォーレ原宿の年間メインビジュアル(2015年〜)、SHISEIDO、NIKE、PARCOなどのビジュアル広告を手がける。プライベートでは2歳の男の子のパパ。

http://stevenakamura.com



ラフォーレ原宿「年間広告メインビジュアル2015」

  

TOPIC1:JAZZから培ったアドリブ力

TOPIC2:子育てに思うこと

TOPIC3:座右の銘

 

<TOPIC1:JAZZから培ったアドリブ力> 

ユーモア溢れる作品をたくさん作られていますが、作る上で大事にしていることはありますか?

なるべく人とは違う引き出しを持つようにしています。だいたいみんな同じ流行っている漫画を読んで、流行っているテレビ番組を見て、同じ影響を受けて育っているので、企画を考える時にも、なるべくみんなが影響を受けていないところから引っ張ってくるようにしています。きゃりー(きゃりーぱみゅぱみゅ)の企画を考える時も、原宿のKAWAII文化をそのまま出すんじゃなくて、自分の育ったカリフォルニアとかロンドンとか、70年代のフュージョンやJAZZのイメージを混ぜることで、自然と不思議なものが出来上がるんです。

でも、カルチャーからレファレンスを取って何かを作るということは決して浅いことでは出来なくて、例えば70年代のNYのダンスフロアをイメージしたCMとかで、アフロヘアの人が踊っていたりするとすごく嘘くさいものになるんです。それは本当のカルチャーをわかっていない人が作っているからで、知っていて作るのと、知った気になって作るのとでは、違いが作品に表れてしまうと思います。

 

きゃりーぱみゅぱみゅの作品で思い出深いものはありますか?

きゃりーの場合はものすごいスピードでリリースが続いていたので、2週間で全部作るということが当たり前でした。その時は一つ一つ振り返る時間もなっかたので。5年間の担当が終わった後に振り返ってみると、すべてのCDジャケットが一つの作品として思い出深いと感じました。

  

そのスピード感で作品を作り上げるのはとても大変だと思いますが、アイディアはどうやって?

時間がない時って、ある種思いつきというかアドリブがすごく大事で、それはJAZZから学びました。計算してプランニングしちゃうと、企画通りに作りましたという固さが作品に出ちゃうんです。その場の気持ちを表現するのって、ある程度決めた部分と決めてない部分の余白を作っておかないと出ないもので、その余白から生まれるマジックを信じる緩さがとても大事だと思っています。

 

でも、アドリブって誰しもが出来る技じゃないですよね?

それは子どもの頃からの積み重ねですね。音楽でもスポーツでも、みんなすぐにプレイしたがるんですけど、やっぱり基礎練習は大事。僕も子どもの頃にやりたくないことがありましたが、やり続けたことで後から役立つこともありました。大事なこと、やるべきことは習慣にしてしまえば続けることができるもの。基礎がしっかりしてこそのアドリブ力だと思います。

アドリブ力があると、その場の反応でこう、空気を読んでこうみたいなことが自然と出来る様になって、人の会話みたいに、受け答えや反応次第で行き着く先が違ってくる。

「どこかから始まって、繋がってるけど違うところにいく。」そういうものだとハービー・ハンコックが言ってました(笑)

  

<TOPIC2:子育てに思うこと>

2歳のお子様がいらっしゃいますが、何かやらせてみたいことはありますか?

今は歌を習わせてみたいなと思ってます。僕自身、小さい頃から人前でしゃべることが苦手で、人前で声を出すということは何よりもすごいことだと思うんです。歌を歌うということは自信や勇気がないと出来ないことなので、小さい頃からそういう自信をつけさせてあげたいと思ってます。

あと、小学校の時に初めてスティーリー・ダンを聞いたとき、うわー!かっこいい!と、グッとくるものがあったのを覚えていて、今でもスティーリー・ダンが大好きなんです。

小さい頃はアンテナがめちゃくちゃ張っているので、色んなものを見せたい。子どもが “好き”に気づく瞬間を大切にしたいなと思っています。

  

色んな国で生活されて来ましたが、子育てするならどんな場所がいいですか?

西海岸、NY、ロンドン、東京と色んな場所に住みましたが、違う文化を見たりするのはすごくいいことだと思いました。世界中色んな場所に住んでみると自信もつくし、ロンドンでもNYでも、何人でも何色でも、みんな一緒だと思えますしね。

ただ、どこに行っても自分の生まれ故郷に誇りを持つということは素晴らしいことだと思います。

 

KIDSTONEMESH™を使ったプログラミングワークショップをプロデュースしてくださいましたが、どういう想いがありましたか?

子どもは集中力も続かないし、すぐに反応を見たがるものなので、自分の足音がMESHから聞こえるという内容はとてもわかりやすいかなと思いました。あと、子どもたちの絵は本当にいいですね。純粋に描くから。

 

子どもでもipadを使いこなす時代ですが、何か思うことはありますか?

全くないです。ただ、みんながやってないことをやった方がいいとは思います。

テクノロジーとアートの展示も増えてきましたが、テクノロジーは自分のアイディアを形にするツールの一つなだけで、あまりにもテクノロジーに引っ張られすぎると数年後には古くさく感じると思うんです。テクノロジーを使うことが決して悪いことではないですが、あくまでもテクノロジーは自分の作品を表現するツールなだけ。

ツールに捕らわれるんじゃなく、自分らしさを表現するツールがあれば使えばいいと思います。

 

<TOPIC3:座右の銘>

最後に、ご自身の座右の銘を教えてください。

座右の銘ということではないですが、人間って、朝起きて何か楽しみがないと腐ってしまうと思うんです。WEBサイトを更新するでもいい、美味しいコーヒーを飲むでもいい、ドラマを見るでもいい。一日の中に小さな楽しみを見つけるということが大事だと思うんです。

それが僕にとっては作ること。紙に書いて何かを毎日作るっていうことが自分にとっては幸せなこと。

自分が楽しいと思うことを見つける、子どもみたいな純粋さをずっと持っていたいと思います。

★きゃりーぱみゅぱみゅ「つけまつける」2012


★TIME OUT TOKYO 「TOKYO: THE CAPITAL OF CUTE」2018



<おわり>

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